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■3リッターV12コロンボユニット
戦後間もない1946年ジョアッキーノ・コロンボの設計による60度V12、SOHC
1497ccのTipo125がフェラーリの最初の心臓の様だ。
このエンジンはシリンダー・ブロック、ヘッド、クランクケースがすべて軽合金で作られていた。
ボア・ストローク55×52.5mm、72HP/560rpm
翌1947年、ボア・ストローク59×58mm、排気量1903ccに拡大されたTipo152として125HP/7000rpmと性能向上が図られている。
排気量の拡大は続き1948年にはTipo166となり150HP/7000rpmを発揮、タルガ・フローリオの活躍、ミッレ・ミリアでの初勝利
翌年も同様の活躍が見られる。
1950年には2341ccのTipo195、170HP/7000rpmと2563ccのTipo212、200HP/6500rpm
1951年2715ccのTipo225、210HP/7200rpmへと続くのだが1950年、GPレース不振の責任をとらされてコロンボが解雇されている。
後を継いだのはアシスタントだったアウレリオ・ランプレディで基本はコロンボ設計をベースにさらなる排気量拡大を続けている。
因みにランプレディはV12以外にも軽量のレーシング・マシン用に直4、直6を設計しておりテクニカルなコースやスプリント・レースでの好成績に貢献している。
さてV12はと言うと
1952年、4102cc
1953年、4494cc
1954年、4954cc
と留まることを知らずと言った印象だが実はそうした中、拡大された排気量に対する問題についても検討されていた様で総合的なバランスを考慮して原点に立ち返って同時進行の形での検討も行われていた。
確かに圧倒的なパワーは高速サーキットでは、その優位性はあるが悪コンディションやテクニカルなコースでの取り扱いが厄介である。
1952年、最良の選択として誕生したのが250シリーズなのだ。
ボア・ストローク73×58.8mm、排気量2953cc
3基の36DCFウェーバーと9.0の圧縮比により220HP/7000rpm
それまでに比べて短めの2600mmのホイールベースのシャシーに搭載されている。
このエンジンのベースとなったのは、すでにフェラーリを去っているコロンボ設計のものであった。
250シリーズはエンジン本体の改良を含めてボディ・サイズや形状など試行錯誤を繰り返し1955年「250GTベルリネッタ」として誕生する。
その後の「250GTベルリネッタ」の活躍は1956〜1959年の4年間、GTチャンピオンシップを獲得している事からも明らかだ。
1959年それまでの2600mmのホイールベースを2400mmとし4輪ディスクブレーキが装備された250GT
SWBが発表された。
2400mmのホイールベースは1953年の250スポルト以来となる。
次第に拡大されて行ったエンジンサイズと共に大型化したシャシーへの見直しもあったのだろう。
エンジンについては排気量2953ccは変わりないが各部をリファインし出力は280HP/7000rpmとアップされている。
車重についてもドア、エンジンフード、トランクリッドのみアルミで他はスチール製であったにもかかわらず1000s以下に抑えられると言う軽量化が図られた。
ホイールベースの短縮により操縦性の向上が一段と増し数々のレースを制覇している。
■そしてGTO
1962年SWBをさらにリファインさせたマシンがレース界に登場した。
250GTOである。
まずシャシーについて徹底的に軽量化を行いテスタロッサ・ユニットと同じドライサンプ方式を採用する事によりエンジンの全高を引き下げる事によりボディデザインに於いて空力特性を十分に発揮させている。
その結果はSWBよりも90mmも低くなっている。
またボディについても全てアルミの叩きだしで製作されていてシャシーの軽量化と相まってその重量は個体差はあるものの1000kg以下となっている。
搭載されたエンジンはTipo168Conp/62で内容としてはテスタロッサとほゞ同様と言えるものだ。
Tipo 168 Comp/62 V12
Engine design:Colombo
Total
displacement:2,953 cc
Nr. of cylinders:12
Arrangement: V in 60
degrees
Timing gear:SOHC 2 valves per cylinder valvetrain
configuration
Bore:73 mm
Stroke:58.8 mm
Fuel feed:6double-barrel
Weber 38 DCN carburettors
Compression ratio: 9.8:1
Lubrication dry
sump
Power output
Max power output:300 bhp at 7500 rpm
Max
torque:294 Nm at 5500 rpm
Transmission:5-speed
manual
1964年フェラーリはGTカテゴリーについてプライベートチームへの支援と言う形で行いワークスの活動から完全撤退する。
その後もコロンボユニットは進化を続け1968年に発表された365GTB/4が一応V12搭載のFRスポーツの終焉となった様である。
世界大戦の痛手も一段落して復興に向けて異常なまでに熱狂していたあの時代、エネルギー危機、地球温暖化、等の心配も無かった
「のんきな時代」そこで繰り広げられた危険ではあるが平和な争い
人間の感性が現在よりもふんだんに表現出来た時代
フェラーリV12の時代
1945年8月フェラーリと共にV12エンジンの設計を開始したジョアキーノ・コロンボ
彼が一番初めに書いた設計図は何と1枚の包装紙の裏だった。
終戦後間もない物資不足の時代の話しだがとてつもない熱意を感じてしまう。
---------List of Ferrari
engines-----------------------------
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Ferrari_engines
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